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区役所移転=『黒崎再生』の行方(5)~二重のジレンマ

2011年9月12日 07:00

<車社会の時代に渋滞と駐車料金が高い二重のジレンマ>

コムシティ 「コムシティ」は、国道3号線沿いのJR鹿児島線黒崎駅に隣接する建物だが、この国道3号線の交通量は非常に多く、1日の交通量は8万台を超え、慢性的な渋滞箇所のひとつだ。バイパスの開通や周辺道路の整備により、若干緩和されているが、依然として交通量が多い地区であることは変わっていない。今の車社会では、鉄道やバスなどの公共機関の駅と言うだけでは集客できないのが実情だからだ。

 黒崎周辺には、半径5キロ以内にショッピングモールが多数ある。イオンが八幡東区の東田や戸畑、若松にあり、ほかにも国道3号線や200号線、211号線沿いにショッピングモールがあるほか、わずか500mのところにも「フレスポ黒崎」という商業施設もある。こうした商業施設は、全て駐車場が無料で利用できるほか、大きな駐車スペースもあって、それぞれ賑わいを見せているところが多い。

 こうした事情から、各テナントを始め「コムシティ」の出店をためらうところが多かったのだ。今年(2011年)3月に開業した博多駅の「JR博多シティ」のように、1日の乗降客も多く、多数の交通の便が良いような立地以外では、ターミナルビルは採算が取れなくなっているという時代が読めていなかったことにも問題があった。一家に二台と言う車社会では、駅鉄道客を囲い込めば集客できる時代ではなくなったのだ。ターミナル駅に商業施設や専門店という計画そのものが間違いだった。

 加えて、当初は第三セクターだったため、民業圧迫への配慮から料金が高く設定されるなど、市営駐車場にも問題があった。併設駐車場でありながら特定の業者へ恩恵を与えてはいけないという遠慮があったのだ。利用者にしてみれば、不満だらけだったと言える。
 また、建物が大きすぎたとか、小さすぎるという建物の大小でなく、構造上の問題と言う大きな問題を抱えていたのも、核テナントが決まらないことにつながった。

 コムシティは、細長い敷地に立地しているため、8階建ての羊羹形本体の上に、幅の狭い4階建ての羊羹形ホテルをやや斜めに乗せている。西側には構造材剥き出しの9階建ての自走式駐車場だ。建物は内部の施設配置や動線計画がうまくいかず、駐車場から施設に移動するにも、わかりにくい構造は当初から問題視されていた。複合施設といいながら施設がばらばらで、施設間流動が小さく、相乗効果が現れなかった。強力な集客力を発揮する核店舗があれば別だが、こうした構造のビルだったら、二の足を踏むことは容易に想像でいる。つまり、計画当初から計画は狂い続けていたのだ。この結果、家賃をいくら下げようが、売却価格が下がろうが、手を上げる商業施設が現れなかったのは、時代にそぐわない立地と、構造上の問題だったのである。

(つづく)

【石崎 浩一郎】

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