住友化学(株)(本社:東京都中央区、十倉雅和社長)は2月14日、世界最高水準に近い10.6%の変換効率を持つ「有機薄膜太陽電池」(OPV)を米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)と共同で開発したと発表した。
今回作製されたOPVは、吸収する波長範囲が異なる2種類の薄膜層を組み合わせることなどで、広範囲の太陽光エネルギーを利用できるようにした。太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を、UCLAの単独開発より約2%高めた。
折り曲げることもできる軽量で薄いOPVは、次世代の太陽電池として期待されている。三菱化学(株)も11.0%の変換効率を実現。早期に実用化に向けた各社の取り組みが加速しそうだ。
現在、住宅用ではシリコン型太陽電池が主流となっており、寿命は20~30年とされる。一方OPVは長期間日光や空気に当たると蒸発したり酸化したりするため、徐々に性能が落ち、寿命は5~10年程度とされる。また、変換効率は太陽電池のパネル化の際に目減りするため、実用化には15%程度は必要となる。今後は、材料改良や耐久性強化、パネル化技術向上に注力。2015年頃に商品化を目指す。
樹脂製フィルムなどの薄い基板に有機半導体材料を塗布して製造するOPVは、軽量で軽く、フレキシブル化が可能という特長を持っている。またシリコン系太陽電池と比較して、製造コストが安価にできると期待されている。同社では、これらの特長を活かし、ビルや住宅の室内の壁や透明なガラスとの一体型製品や電気自動車(EV)の車体の設置を可能にしていきたい考えだ。将来的にはさらに変換効率や耐久性の向上を図り、一般家庭の屋根置き用や産業用発電の用途での採用を目指す。

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