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環境への取り組み

雨を貯めて雨水の流出を抑制しよう(2)~雨水の有効利用を自宅で実証

2012年6月 7日 07:00
福岡大学工学部社会デザイン工学流域システム研究室
准教授 渡辺亮一氏

<雨水貯留タンクの設置で流域住民から治水を広げよう>
 ――34トンとなるとなかなかの大きさになりますね。

0607_j_1.jpg 渡辺 雨水ハウスの貯水34トンは、日本では他に例がないほどの大きさです。過去、東京のとある住宅で6トンのタンクを家の下に作られた方がいます。それは水害防止のためではなく、生活用水として利用されています。確かに生活用水くらいだと6トンぐらいで良いと思います。34トンの大容量にしたのは、一時的に雨水が出ていかないようにして、水位を上げないようにするのが狙いです。そのためどれくらいの容量が必要か実証するために、今回はできるだけ大きく作ってみました。

 ――大容量の貯水の構造はどうなっているんですか?

 渡辺 駐車場の地下タンクは、16トンもの雨水を浸透させる構造にして、自然と地下に水を還すことができます。浸透速度の速い真砂土の地盤であるため、地下にすぐ浸透していきます。防水シートで雨水を囲って貯めず、雨水が砂利の中に浸透させる構造になっています。素堀りではめ込む形でも大丈夫だと思いますが、建設会社から見ると構造上、急激に雨水が流れた場合は、周りの土が削れて駐車場が下に抜けるのではないかと、念のため吸出し防止剤をつけて防御して土がとれないようにしています。
 雨水が全部溜まった場合は地下にゆっくり2、3日ほどで浸透します。その期間は手押しポンプで庭の散水や洗車に使うこともできます。実際に水害が起これば、どれくらい防げ、なおかつ雨水利用もできるか実証していきます。このような貯めないタイプとして初めての取り組みです。

 貯めてしまうと洪水が起こった時に雨水を貯めることができないため、十分生活用水として確保する家の基礎部分下のタンクとは対照的に、駐車場地下タンクは貯めないようにしているのです。

<もう片方のタンクは生活用水>
 ――駐車場タンクとは構造が違うんでしょうか?

 渡辺 家の基礎部分の下のタンクの16トンの貯水は洗濯やトイレの洗浄、庭の散水用に使います。現在、賃貸マンションに4人暮らしで、1カ月22トン使っています。一戸建住宅だと集合住宅と違い、水使用量が2割ほど増加すると考えられます。日本の場合次々に雨が降るので、家の下のタンク16トンは生活用水として利用しても、ほぼ一カ月充分なほどです。こちらも次に雨が降ったときに水害を防げないことになるので、貯めたままにせず日々使うことが前提です。雨が降ると予想される前の日にはできるだけ、タンクをからにします。

 水のメーカーにはトイレに使うのは難しいと言う意見がありますが、可能にしてみようと思います。大学構内の実験室裏で水を貯めてある程度水質等も図っていて、綺麗なのはわかっています。それをどうやっていくかが今後取り組み一つでもあります。また、万一震災で断水になっても使えます。

 ――水道代の節約にもなるんですよね。

 渡辺 雨水貯留タンクを一戸建て住宅の家庭に設置し、トイレの洗浄水や散水、洗車などに用いると年間約31,800円の水道代が削減可能になります。10年もすれば40万浮くことになります。そうなってくると水道水の浄化・供給されるさいに発生する二酸化炭素の削減にもなってきます。

 ――建設会社にとっても、初めての試みでは?

 渡辺 今回、神社仏閣、高級住宅の建設を手掛ける安恒組に請け負ってもらいました。安恒組さんにとっても初めての試みで、手探りの状態で丁寧にしてもらっています。将来は「雨水を貯水できる家」が将来ニーズとして高まることを見込んで、付加価値のある家を作るため今ノウハウを蓄積し、今後、提案や設計する時に役立てられます。
工費は、新築で約50万かかります。あと下のL字型の○やポンプを入れて50万の100万くらいになります。福岡市で一部不適地はありますが、ほとんどが花こう岩で風化しているので大丈夫です。

 新築時に行なえば、非常に安くできます。素材自体は、横浜ゴムや古川電工、タキロンが作られていますが、タキロンは家庭用に作られており、共同研究・開発していきます。

(つづく)
【石崎 浩一郎】

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